芸術学論集
Online ISSN : 2435-7227
日本と韓国におけるパブリックアートの時代的変化とその特徴
1950 年代から2010 年代を対象に
金 泰勲
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2023 年 4 巻 p. 59-68

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抄録

本稿は、日本と韓国におけるパブリックアートの変化を1950年代から2010年代を対象に、4つの時代区分に照らして、両国におけるパブリックアートの変化の過程と特徴を示したものである。その結果、①発芽期では、両国とも政治的イデオロギーを含めたモニュメントとして機能していたが、日本では、屋外の彫刻といった芸術作品が混在していた。②形成期でのパブリックアートでは、日本は野外彫刻、韓国は建築物の装飾という形態の相違点が挙げられる。その過程において両国でのパブリックアートは、日常生活への拡大といった類似性を持っていた。③発展期では、両国ともパブリックアートが都市計画、あるいは再開発事業との連携による都市空間との一体化といった類似性がある。④転換期では、地域社会との密接な関係の構築といった変化の方向性が類似性として挙げられる。日本ではパブリックアートからアートプロジェクトへの、韓国では、パブリックアートから文化福祉と都市再生を含めたニュージャンルパブリックアートへの転換が特徴である。

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© 2023 芸術学研究会
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