2005 年 49 巻 1 号 p. 30-35
現在, 金属材料の表面の改善, 特にメッキ法を含む諸工程においては, 耐摩耗性, 耐焼き付き性, 離型性および耐食性などの向上を目的とした硬質クロムメッキが実施されている. しかし, それらのメッキ工程において発生する廃液の処理が地球環境保護の立場より問題となっており, 近い将来その改善が求められることは必至である. 本研究では, その改善策を追求するためにドライブラスト加工法の適用を検討するもので, 本報においては, まずスケール用金属材料に一般的に用いられているマルテンサイト系ステンレス鋼 (SUS420J2) の表面性状に及ぼす噴射条件 (噴射圧力, 噴射量, 噴射時間) の影響を検討した. その結果, 加工面の仕上面粗さが同等であっても噴射条件の相違により, 光沢度が異なることが明らかになった.