2006 年 50 巻 6 号 p. 312-317
砥石のツルーイング・ドレッシングは工作物の形状精度や表面粗さに大きく影響を与える.レジンボンドダイヤモンドホイールのツルーイングは単石ダイヤモンドツルアやGC砥石などにより従来行なわれているが,ツルーイング比が低い,初期摩耗が多いなど,その特性は十分とはいえない.そこで本研究では新たにダイヤモンドホイールのツルーイング用にモリブデン製のツルアを開発し,従来から使用されている単石ダイヤモンドツルアやGC砥石と比較しながらツルーイング・ドレッシング性能を検討した.その結果,モリブデンをツルアとして使用したほうが従来の材質と比較して,顕著に高いツルーイング比が得られた.また提案のツルアによりツルーイングを施したレジンボンドダイヤモンドホイールを用いて,実際に微粒子超硬金型を研削加工し,その加工性能を比較した結果,ホイールの摩耗量は従来の半分以下に抑えられることが明らかとなった.以上からモリブデンをツルア・ドレッサとして用いることの有効性を示すことができた.