2008 年 52 巻 12 号 p. 718-723
金属粉末をレーザ光で焼結した材料を小径ボールエンドミルで切削したときの切削特性を切れ刃温度の観点から検討した.その結果,焼結材料の表面は硬さが高くなるが,1mm程度内部になるとほぼ均一な材質となる.硬さの高いSCM粉末が付着しているためであり,表面を切削するとき切れ刃温度は高くなる.切削速度が切れ刃温度に及ぼす影響は大きく,速度が増すに伴い切れ刃温度は上昇するが,送りや切込みの影響は小さい.径の異なるボールエンドミルで加工した場合,回転数が同じであれば切れ刃温度は大きく影響を受けない.焼結材料の熱伝導率が低いことが,切れ刃温度に大きく影響すると考えられる.