2009 年 53 巻 7 号 p. 440-445
内面の磁気援用加工法は磁力線が非磁性体を容易に透過する現象を利用して,工具が入り難い細長い円管などの内面仕上げに適用できる特長をもっている.このとき使用される磁性工具の加工挙動は工具材質の磁気特性と磁性工具に作用させる磁場(静磁場か変動磁場かの違い)及び磁場強度に大きく左右される.本報は,交流磁場と磁性ピン工具を利用した円管内面の磁気援用加工法について研究し,磁性ピン工具の磁気特性とピン工具の挙動の関わりを解析的に明らかにした.また,SUS304磁性ピン工具と永久磁石から製作した磁石ピン工具の挙動を比較検討し,磁石ピン工具は強い加工力を発生できることとその根拠を明らかにした.