砥粒加工学会誌
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ダイヤモンドペレットによる固定砥粒研磨の加工特性に関する実験的研究
—工作物表面形状創成に及ぼすペレット配置最適化の有効性検証—
畝田 道雄菅野 祐也石川 憲一
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2011 年 55 巻 1 号 p. 35-41

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抄録
 現在,光学ガラスやサファイアの研磨加工には固定砥粒方式の一つであるダイヤモンドペレット(DP)が用いられ始めている.DPによる工作物の研磨加工の多くはラップ定盤上にDPを規則的に配置して行われる方法であり,このDPの配置は工作物の平坦度に大きく影響を及ぼす要因である.著者らは現在までに,DP配置の最適化シミュレーション技術の開発,並びに実験検証を行っている.本論文では当該シミュレーション結果に基づいた一連の研磨実験を行い,工作物の表面形状創成過程の観点からDP配置の最適化シミュレーションの有効性を検討した.加えて,工作物の表面粗さについても評価した.その結果,研磨時間の経過にしたがい,工作物の表面形状はシミュレーション結果とほぼ同様の傾向を示すとともに,DP配置の最適化を行うことによって工作物の平坦度が向上したことから,DP配置の最適化シミュレーションの有効性を実験的に確認した.さらに,本実験の範囲内において,研磨後の工作物の表面粗さはDP配置の最適化の有無や研磨能率の影響を受けないことを示した.
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© 2011 社団法人 砥粒加工学会
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