砥粒加工学会誌
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ホットエンボス法によるマイクロ流路の作製
第2報:二段ホットエンボス法によるフッ素樹脂基板上への微細溝の作製
王 竹卿吉岡 正人平 晋一郎張 宇
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2011 年 55 巻 6 号 p. 366-371

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抄録
本研究は,医化学応用を視野に入れたマイクロ流体デバイスの,二段ホットエンボス法によるマイクロ成形加工に関するものである.ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)基板上に,微細な溝構造を二段転写成形により作製することを目的とし,まず中間樹脂モールド材料の選定を行った.候補材料として,ポリカーボネイト(PC),ポリエーテルイミド(PEI),ポリアミドイミド(PAI)の3種を用いて,成形温度,成形圧力,保持時間を変えながら成形を行った.成形された溝反転構造の形状を測定し,転写率の値および成形条件の変動に対する転写率の安定性をもとに各樹脂の中間モールド材としての適性を検討した.その結果,第一段階,第二段階成形ともPEIが最も適性が高いことが確かめられた.その場合の最適成形条件は,第一段階成形では成形温度235℃,成形圧力14.7MPa,保持時間1分,第二段階成形ではそれぞれ190℃,11.3MPa,1分であった.PEIを中間樹脂モールドとし,最適条件下で成形されたPTFE基板上の溝構造の,マスター型に対する転写率は95%~105%の範囲内の値であった.このことから,本手法によるPTFE基板上の微細溝構造の作製は,一段ホットエンボス法に匹敵する精度をもち,適用の可能性は十分にあることがわかった.
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© 2011 社団法人 砥粒加工学会
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