砥粒加工学会誌
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圧粉磁心の高能率平滑研削に関する研究
上野 友之伊志嶺 朝之松沼 健二西岡 隆夫餅田 恭志島田 良幸
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2013 年 57 巻 7 号 p. 446-452

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抄録

圧粉磁心とは絶縁被覆で覆われた純鉄粉をプレス成形して作製された材料である.本材料は,軟磁性特性を示す磁心材料として知られており,自動車分野や家電分野では必須の電磁気変換部品として利用されている.本材料は,とくに高周波領域での磁気特性が高い点や形状自由度が高い点が特長であり,電磁気変換部品の小型化や高性能化に適している.近年は圧粉磁心に対してさらなる高性能化や高精度化の要求が高まっており,これら要求に対応する高能率・高精度な加工法の開発が必要である.本材料を加工する際の課題を以下に示す.(1)素材の純鉄は延性を示し,バリや工具への融着の原因となる.(2)本材料は圧粉体であるため粉末間の結合力が低く,カケやムシレが生じやすい.我々は,これらの課題に対して圧粉磁心を高能率に平滑に仕上げる加工手法の開発を行い,選択した加工手法における網羅的実験から好適な加工条件を見出した.

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© 2013 社団法人 砥粒加工学会
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