2014 年 58 巻 3 号 p. 185-190
展延性の高いアルミニウム合金は自動車や航空機等の機械の軽量化や精密部品へ利用されつつあるため,高精度な表面性状や寸法精度に加工することが求められている.しかしながら,アルミ合金のように展延性の高い材料に対して研削加工を行うと,研削砥石は目づまりを生じやすく,加工が難しく,比較的粗い粒度の砥石で研削加工するに留まっている.そこで,本研究では超音波振動を研削砥石の半径方向に付加することによって研削加工を行い,アルミニウム合金の精密研削加工を可能にすることを目指して実験を行い,その加工特性から超音波平面研削加工の有効性について検討を行った.その結果,超音波振動を研削加工に援用すると,表面粗さ,表面うねりの向上効果や目詰まりの抑制効果を得られることが明らかとなった.