砥粒加工学会誌
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スラリーの流れを制御した円管内面研磨法の提案
清水 毅深澤 薫ユザイリ アブドゥル ラヒ-ム孕石 泰丈萩原 親作
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2016 年 60 巻 3 号 p. 153-158

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抄録
円管内面に堰となる鋼球を設けることでスラリーの流れを変化させ,円管内面を研磨する手法を提案した.本加工法は,円管内に堰となる鋼球を挿入し,外部より磁石で引きよせ球の運動を制御する.スラリーは,鋼球と円管の隙間を通過するときに円管内面と衝突するため,鋼球にらせん運動を与えることで円管内面を研磨しようとするものである.試作した装置を用いて実験によりスラリーを単純に円管に流入するよりも良く研磨が行えることを実証した.まず,初期表面粗さが小さいアクリル円管を被削材として用いて,簡易的な手法により本手法の研磨加工能力を評価したところ,市販品の表面粗さ0.01μmRaのアクリル円管は時間が経つにつれて徐々に表面が粗面化していき60分加工後の表面粗さは0.24μmRaとなった.次に金属内面の研磨加工を試みたところ,真鍮では初期表面粗さ 0.81μmRaであったものが研磨後0.38μmRaとなり,アルミニウムでは初期表面粗さ0.82μmRaであったものが研磨後0.28μmRaまで平滑な表面に仕上げることができた.
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© 2016 社団法人 砥粒加工学会
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