抄録
小径軸付電着CBN砥石のツルーイング法として,本研究では高速に回転する石英板へ一定荷重のもとで砥石を押し付ける精密ツルーイング技術(石英ツルーイング)を開発した.その結果,比較的短時間でツルーイング効果が認められ,石英ツルーイング後の砥石底部において砥粒先端の平坦化および平坦部の形成,作用砥粒数の増加を確認した.また,石英ツルーイングを4 min,10 min,20 min施した砥石を用いてSUJ2生材の研削加工を行い,砥粒先端平坦部の面積率変化,砥粒先端位置のばらつき,研削面性状および法線抵抗の観点から,石英ツルーイング時間が長いほど砥石底部の研削性能が高いことが明らかとなった.さらに,機上での石英ツルーイング法や砥石側面における石英ツルーイング法を新たに考案するとともに,ビトリファイドおよびレジノイドボンドCBN砥石に対する石英ツルーイングの効果,研削液へのマイクロバブル添加による仕上げ面粗さの改善を確認した.