2021 年 65 巻 12 号 p. 666-670
本研究では,高温高圧法によるダイヤモンド合成時にcBN粒子を添加し,cBN含有ダイヤモンド砥粒の合成を試みた.得られた粒子は,ラマン分光分析によって物質の同定を行った.また,機械的強度および大気雰囲気下における砥粒の耐熱性を検討した.その結果,合成した粒子は,cBN粒子を含有したダイヤモンド粒子であった.このダイヤモンド粒子は,市販のダイヤモンド砥粒に比較して,粒子自身の破砕性に優れる脆弱性ダイヤモンドであった.粒子破砕性に優れること,大気中における耐酸化温度が高いことから,新しいダイヤモンド砥粒研磨材としての可能性を示した.