日本アスレティックトレーニング学会誌
Online ISSN : 2433-572X
Print ISSN : 2432-6623
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学校現場におけるアスレティックトレーナー介入事例—中学校・高等学校のスポーツ現場に関与する意義を考える—
村田 祐樹大見 卓司倉持 梨恵子
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2020 年 5 巻 2 号 p. 115-121

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抄録

青少年のスポーツにおいて,アスレティックトレーナー(AT)が関与することの重要性についての認識が高まっている.本邦でも一部の高校では,課外活動の質を向上させるために専任のATを雇用している.しかし,高校におけるATの業務内容とATが関与することの効果を示した報告はほとんどない.本研究の目的は,高校のATがスポーツ現場でどのような業務を行っているかをインタビューおよび自己開示によって明らかにすることであった.2名の私立学校に勤務するATが本研究に参加した.勤務形態は,1名が専任であり,もう1名が非常勤であった.対象者の主な業務は,スポーツ外傷・障害の評価,救急処置,リコンディショニング,スポーツ外傷・障害の予防であった.それらに加えて,スポーツ外傷・障害の予防と管理について,生徒,コーチ,教諭,養護教諭などに啓発することは,学校スポーツにおけるATの重要な役割であった.本研究は,学校現場でのATの介入事例を2例のみ示したものであり,高校の専任ATに関して更に多くの情報が必要である.したがって,高校においてATが関与する状況を明らかにするためには,体系的な調査を実施する必要があると考えられた.

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© 2020 一般社団法人 日本アスレティックトレーニング学会
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