2021 年 6 巻 2 号 p. 161-170
台高の変化によって片脚着地時に異なる着地戦略をとる可能性がある.本研究の目的は,台高の違いが片脚着地動作時の関節角度,関節モーメント,地面反力値,筋活動に与える影響を検討することとした.対象は大学女性アスリート17名で,課題動作は30cm台と45cm台からの利き脚での片脚着地動作とした.3次元動作解析装置,フォースプレート,表面筋電図で測定を行った.45cm台では,矢状面上の関節角度の増大,股関節や体幹・骨盤の3次元的な運動が生じ,膝関節外反モーメントの増大や大腿四頭筋優位な筋活動といった,着地戦略の変化が観察された.台高の違いを考慮して外傷発生リスクのスクリーニングやリハビリテーションに活用する必要がある.