2022 年 7 巻 2 号 p. 227-234
本研究は,足関節底屈筋群へのフォームローリング(FR)実施時の振動の有無が,荷重位および非荷重位における足関節背屈可動域,腓腹筋の硬さに及ぼす影響を比較検討した.また,介入後の筋の硬さの経時的変化を調査した.その結果,3分間の介入によって,荷重位での背屈可動域は介入前後で有意に増加したが(P<0.05),非荷重位での背屈可動域および筋の硬さは介入前後で有意に変化しなかった(P>0.05).また,全ての測定項目において,条件間(振動の有無)に有意差はなかった(P>0.05).足関節底屈筋群へのFRは,荷重位における足関節背屈可動域の改善に効果的であるが,振動刺激の付加的な効果はないことを示唆した.