2022 年 7 巻 2 号 p. 219-226
Groin pain症例(GP)においてMRI所見のsuperior cleft signまたはsecondary cleft signは復帰が長引くことに有意に関連する独立因子である.本研究はMRIを撮像した16〜40歳のGPでpelvic mobilityテスト(PM)を実施した300例(股関節関連GPは除外)を対象とし,GPの臨床所見評価においてPMの有用性を1.cleft sign(CS)の有無におけるPM陽性率 2.疼痛部位とPM陽性側のlaterality関連性 3.PM陽性が復帰までの期間に及ぼす影響の3点から検討した.CSを認めた群は認めない群よりPM陽性率が高かった(p<0.01).疼痛部位とPM陽性側のlaterality関連性は認めなかった.CSを認めたPM陽性例はCSを認めたPM陰性例,CSを認めなかったPM陽性例と陰性例の3群に対して復帰までの期間が有意に長かった(p<0.05, p<0.001, p<0.01).GPの臨床所見評価としてPMは有用であると考える.