2023 年 8 巻 2 号 p. 205-218
本研究では日本の大学アスリートにおけるスポーツ関連脳振盪(SRC)受傷後の未報告の発生状況と関連因子を明らかにすることを目的とした.SRCの疑いを周囲の人に報告をしない未報告は調査対象者の7.1%(42名)で生じていた.未報告との関連因子として,スポーツ科学専攻以外の学部生,年長であること,コンタクトスポーツ競技,SRCに関する高い知識に未報告との関連が認められた.一方で,性別,SRC教育を受けた経験の有無には関連がなかった.未報告の理由にはプレーへの執着やSRC知識・理解の欠如の項目が認められた.