2023 年 9 巻 1 号 p. 37-42
大学ラグビー選手を対象に新入生と上級生におけるコンディションデータの差異を比較検討した.主観的運動強度(session-rating of perceived exertion:sRPE)は,上級生が有意に高かった.sRPEは体力や心理的なコンディションレベルが劣ると思われる新入生において,より高値を示すことが予想されたが本研究では逆の結果であった.疲労とストレスの平均スコアは統計的な差は認められなかったが,全週にわたって上級生の方が高い特徴が認められ,sRPEのデータへの影響が示唆される.大学スポーツにおける上級生は新入生に比べてチームに対する責任が大きくなることや組織づくりに対するコミットメントもより求められるため心身の負荷に対するフォローの必要性が示唆される.