日本細菌学雑誌
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総説
Helicobacter pylori 感染症とプロバイオティクス
神谷 茂
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2007 年 62 巻 2 号 p. 271-277

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抄録
プロバイオティクス (probiotics) は腸管内の正常細菌叢 (normal bacterial flora) に作用し, そのバランスを改善することにより生体に利益的に作用する微生物のことである。プロバイオティクスの投与は腸管感染症, 炎症性腸疾患, アレルギー疾患のみならずHelicobacter pylori 感染症などの予防や治療にも有用であることが多数報告されている。Lactobacillus, Bifidobacterium, Clostridium, Saccharomyces などのプロバイオティクスはH. pylori の付着や増殖を抑制することがin vitroおよびin vivo実験により明らかにされている。また, 臨床研究からもプロバイオティクスのH. pylori 持続感染菌量の低減作用や抗菌薬による副作用防止効果が示されている。副作用のほとんどないプロバイオティクスをH. pylori 感染症の除菌治療の際に有効に使用していくことが期待されている。
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© 2007 日本細菌学会
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