抄録
Aggressive fibromatosisは病理組織学的には良性腫瘍としての性質を持つが, 臨床的には悪性腫瘍に似た経過をたどり, 治療の選択に苦慮する。今回44歳女性のaggressive fibromatosis症例を経験し, 3回の手術と放射線治療によって腫瘍の消失を得た。治療の基本は手術であるが, 切除不能例も多く, 再発率の高さが問題となる。症例数がまだ少ないが, 放射線治療や薬物療法を組み合わせることによって良好な経過を得られる報告もあり, 今後適正な治療法の検討が必要である。