日本細菌学雑誌
Online ISSN : 1882-4110
Print ISSN : 0021-4930
ISSN-L : 0021-4930
総説
Legionella pneumophilaの細胞内増殖制御機構 ―Lgn1/Naip5/Birc1e遺伝子を中心に―
菖蒲池 健夫片桐 菜々子宮本 比呂志
著者情報
ジャーナル フリー

2009 年 64 巻 2 号 p. 319-330

詳細
抄録
レジオネラは自然界の水系・土壌に広く生息するグラム陰性桿菌で,ヒトの肺炎(レジオネラ肺炎,在郷軍人病)やインフルエンザ様の熱性疾患(ポンティアック熱)の原因菌である。レジオネラ症患者から分離される菌種の90%以上はLegionella pneumophilaで,その8割以上を血清群1に属する菌が占めている。本菌が病原性を発揮するうえで最も重要な性質は,生体防御の第一線で働くマクロファージの殺菌に抵抗し,その中で増殖し,結果的にその細胞を殺す能力を持っていること(細胞内増殖能)である。マクロファージの殺菌機構からのL. pneumophilaのエスケープ機構と増殖機構について,細菌側と宿主側の両側からのアプローチがこれまで行われてきた。巧妙な菌の戦略とそれに対抗する宿主の応答が分子レベルで解明されつつある。本総説では,宿主側からのアプローチで明らかになったL. pneumophilaの細胞内増殖制御機構について,レジオネラ感染に対するマウスの自然抵抗性遺伝子(Lgn1/Naip5/Birc1e)を中心に解説した。
著者関連情報
© 2009 日本細菌学会
前の記事 次の記事
feedback
Top