抄録
一、鶏溶血素ニ對シテハ海〓, 家兎, らつて等ノ哺乳動物ノ補體ハイナク作用ス。Rilzノらつて血清ニ溶血性補體ナシト云フハ誤ナリ。又鶏補體ハ多クハ之ニ作用スルモ往々補體作用ナキモノアリ。鳩ニ於テハ毫モ補體作用ヲ見ズ。是ニ依ツテ之ヲ見レバMoreschiノ報告ハ誤レルモ, 一部分正シキ點アリ。
二、鶏溶血素ニ對スル最良ノ補體ハ海〓補體ナリ。其効價強ク而モ個體ニヨル變動少ナク且正常溶血素ヲ含マザルガ故ニ使用量ヲ豫メ測定スル要ナク五%山羊血球液一竓ニ對シ常ニ十倍液一竓ヲ用フレバ可ナリ。他ノ動物ノ補體ハ是等ノ長所ヲ缺ク。
三、何動物ノ補體ヲ用フルトモ其補體價ニ對スル溶血價ハ各抗血清ニヨリ常ニ一定ノ値ヲ有ス。
四、鶏溶血素ニ於テモ亦沈降素ニ於ケルガ如ク左ノ關係 (7) アリ。
甲、免疫動物ガ免疫元側動物ト比較的ニ近親ナル時ハ其抗血清ノ特異性ハ著明ニ現ハル。
乙、前項以外ノ場合ニハ溶血素ノ特異性ハ免疫動物ノ高等ナル程著明ナルノ傾向ヲ有ス。