抄録
ドクターヘリ搬送が転帰に影響したと考えられる大出血を呈する顔面多発骨折の一例を経験した.症例は32歳男性で,交通事故により受傷した.ドクターヘリ要請後13分で現場に到着し,初期治療を開始した.当院へ搬送後,動脈塞栓術を施行し,救命することができた.大量出血を呈する顔面骨多発骨折は救命率が低く,緊急性の高い外傷の一つである.一方で,ドクターヘリは初期治療開始時間が非常に短縮され,脳血管障害,心・大血管疾患,多発外傷などにおける有用性が報告されている.今回われわれは緊急性の高い重症顔面外傷においても有用であると考えたため報告した.