日本微生物學病理學雜誌
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細菌性免疫元ハとりぷしん消化ニヨリテ破却セラルルヤ
第4報とりぷしん浩化前後腸ちふす菌煮沸免疫元ヲ以テノ補體結合反應 附とりぷしん消化作用ノ血清學的立證法
猪木 隆三
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1929 年 23 巻 13 号 p. 2645-2662

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抄録

腸ちふす菌食塩水浮游液 (1.0cc中ノ含菌量約0.0028cc) ヲ出發材料トナシ次ノ3抗原ヲ得,
(甲) 1%とりぷしん加腸ちふす菌煮沸免疫元 (0.2鬼あるかり性).
(乙) 5日間とりぷしん作用腸ちふす菌煮沸免疫元 (0.2腸あるかり性).
(丙) 原腸ちふす菌煮沸免疫元 (0.2腸あるかり性) (第2報參照).
對照トシテ1%とりぷしん加0.85%食塩水 (0.2%あるかり性).5日間とりぷしん作用0.85%食塩水 (0.2%あるかり性) ヲ取リタリ.
抗血清レシテハ腸ちふす菌煮沸免疫元ヲ静脈内ニ注射シテ得タル家兎ノ抗血清ヲ56℃ニテ30分間加温セルモノヲ取リタリ.
ERRニ於ケル第1型結合ニ於テとりぷしん加 (甲) 及ビとりぷしん作用 (乙) 煮沸免疫元ハ殆ンド同一程度ノ陽性補體結合反應ヲ示シタリ.即チとりぷしん作用後ノ煮沸免疫元 (乙) ニ於テモ抗原性ハ (甲) ノ塲合ト同一程度ニ依然トシテ保存セラレタリ.
又無とりぷしん抗原 (丙) ハ甲及ビ乙ヨリモ強度ノ補體結合反應ヲ呈シタリ。是レとりぷしんノ混和ハERR結合ヲ多少阻止スルニ由ノシモノナルベシ.
以上ノ所見ハ第1報乃至第3報ニ於ケル免疫ノ結果ト全ク一致スノレモノナリ.
即チ細菌性抗原ハ非凝性, 非消化性蛋白膿ニシテ可凝性消化性蛋白體ハ多少免疫効果ヲ昂上セシムル迄ノモノニシテ細菌性ノ抗原ハ本態的物質ニ非ザルモノタルコトガ補體結合反應ニヨリテモ亦確證セラレタリ.

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