日本細菌学雑誌
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実験野兎病の抗生物質療法と治療後の免疫成立について
兵藤 三郎
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1978 年 33 巻 4 号 p. 629-635

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抄録
実験マウス野兎病の抗生物質療法を試みた。野兎病菌毒力株(Ebina)の104 M.L.D.の皮下接種感染後48時間めから,streptomycin, oxytetracycline, tetracycline, kanamycin, chloramphenicol, leucomycin, erythromycin等の抗生物質による治療を開始し,これを10日間つづけ次の成績を得た:1) 使用した抗生物質は,それぞれ充分な量を投与すれば,すべて有効であつた。2) 抗生物質の野兎病治療効果は,その動物細胞内〓透性の強弱とはほとんど無関係に試験管内での静菌効果とおおむね平行した。この成績は,野兎病菌が偏性の細胞内寄生菌であるという,一部研究者による見解とは,相容れない。3) 治療後の生残マウスから分離された野兎病菌の薬剤感受性および菌力は原株と同じであつた。4) 治療後の生残マウスには強度な免疫(毒力株感染治療免疫)が成立した。すなわち皮下接種で毒力株の109 M.L.D.(約1mg)の攻撃にも抵抗し,また腹腔内接種でも,101.4mgの菌量に耐過した。5) 無毒株生菌免疫および毒力株死菌免疫によつても,毒力株感染治療免疫に比しやや劣るが,かなり強い免疫が得られた。
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