2018 年 33 巻 5 号 p. 817-821
〔目的〕座位行動を減少させることが脳心血管病リスク因子を改善させるかは明らかではない.本研究の目的は,座位行動の減少が脳心血管病リスク因子の改善に有効かどうかを文献的に明らかにすることである.〔対象と方法〕検索語を“Sit Less”or“Breaking Sitting”and“Intervention”としてシステマティックレビューを実施した.〔結果〕10編が選択され,9編は少なくとも一つの脳心血管病リスク因子に関連する効果指標の改善を認めた.糖代謝や脂質代謝に関連する効果指標の改善は6編で確認され,いずれも短期効果を示す内容であった.〔結語〕長時間の座位行動を立位や歩行に置換することによる座位行動の減少は,糖代謝や脂質代謝を短期的に改善させる可能性が高いことが示唆された.