日本細菌学雑誌
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Campylobacter jejuni Lior血清型標準株と臨床分離株から得られたLPSのSDS-PAGEによる分子量の比較
天野 憲一京野 かおり柴田 淑子
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1995 年 50 巻 2 号 p. 547-550

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抄録

主要な食中毒原因菌であるCampylobacter jejuniの血清型別に用いられているLior血清型標準株30株及び臨床分離株17株の持つLPSの分子量を比較するために,SDS-PAGEで泳動し,銀染色を行った。その結果,使用した全菌株のLPSは腸内細菌のR変異株のLPSと同様に低分子領域に1本のバンドとして泳動されており,高分子領域に階段状のバンドは示されなかった。Salmonella minnesota R変異株のLPSとの比較で,C.jejuniのLPSは3900∼5300の間の分子量を示した。同一血清型の臨床分離株との比較では,8種類の血清型を比較した中で,2種のみが標準株と臨床株のLPSの移動度が一致しており,他の6種は異なっていた。この結果より,Lior血清型別で分類された臨床株は標準株のLPSとは必ずしも同一のLPSを持っていないことが明らかになった。この事実は,以前から言われているLior法とPenner法の間には関連性がないことを支持する結果となった。

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