日本細菌学雑誌
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大腸菌化学感覚レセプターの膜を介した情報伝達機構
立野 一郎川岸 郁朗本間 道夫
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1997 年 52 巻 3 号 p. 567-581

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抄録
大腸菌は, 細胞膜に存在する二回膜貫通型レセプターにより外界の化学物質を知覚し, その情報を細胞内蛋白質のリン酸化を介して鞭毛モーターに伝達することによって, 運動を制御する。この走化性感覚応答系は, 最も解析の進んだシグナル伝達系の一つであり, 高等動物の感覚応答系を考える上でも重要な意味をもつ。現在までに, 4種類の化学感覚レセプター (走化性レセプター) の存在が知られている。これらは互いによく似ており, 下流のシグナル伝達経路も共有している。その細胞質内シグナル伝達経路は, いわゆる二成分調節系を中心とするものであり, 各蛋白質の構造と機能はかなり分かってきている。一方, 化学感覚レセプターは, 他の膜蛋白質と同様, 結晶化などによる構造解析が困難であるために, その膜を介した情報伝達機構については, これまで漠然としか捉えられてこなかった。しかし, 近年は分子生物学や生化学的, 物理化学的な手法を駆使して精力的に解析が進められており, レセプターのダイナミックな構造変化の重要性が明らかになるとともに, 構造変化の実態をもある程度予測できるようになってきた。
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