論文ID: 21J02
パン用コムギ品種の育成を目的とした雑種集団種子に対して,塩化カルシウム水溶液を用いた比重選を行い,その効果を調査した.その結果,種子硬度,たんぱく質含有率および容積重の向上が確認できた.特に,たんぱく質含有率については,今回供試した材料においては,F3,F4の両世代で選抜の効果が確認でき,その差も百分率で0.5ポイントと大きかった.また,容積重や種子硬度は,選抜する世代によってその効果が異なったが,一定の効果が確認できた.ただし,比重選により粒重低下や小粒化する傾向が観察され,これを回避するため篩などによる粒径選抜を併用する必要があることが分かった.