育種学雑誌
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日本稲と外国稲との交雑による育種の基礎的研究 : IV. F2における糯粳性の異常分離
水島 宇三郎近藤 晃
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1962 年 12 巻 1 号 p. 1-7

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抄録
1.糯便性の分離につきF2植物を用いて調査した。26組のF2は大別して5群となる2.日本品種相互間の雑種はすべて正常な分離を示した。3.目印雑種,その他の遠縁品種間雑種では正常な分離を示すものはわづかに1例で,その他は各種の異常を示している。異常の原因は花粉のみに作用し,受精を妨げる補足遺伝子の存在により,糯花粉の1/4,1/2および3/4の3段階で受精し得たいものが生ずるものと仮定することにより説明される。叉,直接不稔とたる原因によってg1^+配偶子(♀♂とも)の一部が死ぬことにより異常な分離とたる雑種もみられた。この場合に限りC遺伝子の分離の乱れもみとめられた。
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