抄録
1.水稲の密植適応性品種育種の基礎的資料を得る敏的で,遺伝子型と栽植密度との相互作用を調べ,同時に選抜法について若干の考察を行った。2.実験は早期栽培と普通期栽培の2栽培様式にわたり,30cm×30cm,21cm×21cm,15cm×15cmの3種の栽植密度を設けて分割区試験法で打つだ。調査した形質1は桿長,穂長,穂数,一株穂重,一種重,出穂期である。3.栽植密度の増加にともたい諾形質の平均値は低下したが,ただ普通期栽培での稗長は逆であった。早期栽、培と普通期栽培とで栽植密度の影響の程度が異たる結果.をえた。4.遺伝力は一般に密植にともなって低くなり,選放の困難性を示した。ただ早期栽培区の程長は密植にともなって次第に高い値を示した。