抄録
中国稲の茘支江と日本稲の関山2号との交雑のF2とF3を用いて,いもち病抵抗性遺伝子と他の2,3の形質を支配する遺伝子との連鎖関係を研究した。茘支江はいもち病抵抗性優性遺伝子(Pi-k),内外頴着色優性遺伝子糯性劣性遺伝子と黄色芽生を生ずる劣性遺伝子を持つ。関山2号はいもち病抵抗性優性遺伝子(Pi-i),内外頴着色優性遺伝子(茘支江のそれとは別で補足的に作用する),黄色芽生を生ずる劣性遺伝子(茘支江中のものとは別で補足的に作用する)をもつ。これらの遺伝子の中,茘支江の糯性遺伝子と内外頴着色遺伝子の間に26.9%の交叉価がえられ,その他の遺伝子間には連鎖関係は認められなかった。