育種学雑誌
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トウモロコシの選択受精に関する育種学的研究III. : F1 個体花粉の有利性と配偶体因子との関係
山田 実
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1984 年 34 巻 1 号 p. 9-16

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抄録

これまでの一連の実験(村上ら1972,山田・村上1978,山田1982)で,トウモロコシのF1個体に生じる花粉が選択受精上有利であり,この現象が特定の系統にのみ見られる特異な現象でなく,普遍的なものであることを示した。本報では,この現象が広く知られている配偶体因子と関係しているか否かを明らかにしようとした。 材料は山田・村上(1978)でも用いられた粒色白のデント種2自殖系統,A34(W1と略記。以下同じ),CI64(W2)とそのFi(WF1),粒色オレンジのフリント種2自殖系統,甲州-564(O1),大玉蜀黍-143(O2),およびこれらの間で胚乳形質が異なる自殖系統間のF14組合せである。O1および02に由来する粒色遺伝子(仮に0rとする。以下同じ)を持つ花粉が,W1,W2,WF1(oror)に受精すると,キセニアにより粒色は黄色ないし淡黄色となり,その花粉の受精が確認できる。

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