育種学雑誌
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Portulaca sp. 'Jewel' に見出されたX線突然変異系統の花色遺伝分析とその特性
足立 泰二中務 将弘浅香 康昌宇多 武久
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1985 年 35 巻 2 号 p. 183-192

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抄録
本研究はPortulaca属植物における花色多彩化育種の一環として,放射線照射後代に見出された突然変異系統の遺伝分析を実施し,その特性変化としてのベタレイン色素の生合成に関与する遺伝子の作用性について考察を加えたものである.R sp.`Jewel'のX線突然変異系統XM-2たらびにXM-3の遺伝分析の結果,花色発現に必要な遺伝子として同一染色体に座乗するM1およびM2遺伝子の存在を仮定し,これによる実験結果を説明できた.この結果からさらに色調を淡色化する遺伝子が存在することも推定した.なお,M1はM2に対し上位性を示すものとした.一方,高速液体クロマトグラフィの技法を用いて含有するベタレイン色素について系統比較したところ,突然変異系統に構成色素の変化がみられ,さらにm2遺伝子の発現は温度に感受性を示し,酵素活性に関与すると推察された.
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