抄録
本研究ではカルスを直接液体窒素中に入れて保存する可能性を知るため,乾燥したカルスの生存と再分化能を調べた. 人参カルスをシりカゲルを含む腰高シャーレ内の濾紙上において27℃で乾燥させた.約6時間で乾燥平衡状態になった.乾燥後の水分含量は約3%となった.この乾燥状態で4日間保存後,直接MURASHIGEとSK00Gの寒天培地に置床した.カルスの成長と不定胚,幼植物の形成により判定された21日後の生存率は90%であった(Table 1 and Fig.1).分化した植物体は正常に発育し,開花した(Fig.2).