抄録
アルファルファ,Medicago sativa L.とパーズフット・トレフオイル,Lotus corniculatus L.の体細胞融合を試みた。体細胞雑種を選抜するため,パーズフット・トレフオイルのプロトプラストの分裂を5mMのヨードアセトアミド処理で不活化し,一方アルファルファは培養初期では分裂するが,コロニー形成不能の遺伝子型のプロトプラストを用いた.この選抜システムで多くのカルスを得ることが出来たが,その中で,かたく緑色のバーズフット・トレフォイルカルスや,やわらかく黄または緑色のアルファルファカルスと明らかに異なる比較的やわらかく茶色がかった緑色のカルスが2個得られた.うち1個のカルスはパーオシギダーゼアイソザイム分析で雑種性を示し,また顕微鏡観察の結果両親の染色体の共存が確認されたが,アルファルファの染色体が消失する傾向であった.しかしこのカルスからの植物体の再生は見られなかった.その他のカルスはパーズフット・トレフオイルと全く同じ性状を示した.この原因についてはヨードアセトアミド耐性試験に一個体より得られたカルスを用いたのに対し,融合実験には複数個体のカルスを供したためと推定された.すなわちパーズフット・トレフオイルは他殖性であるため5mMヨードアセトアミドに耐性を示す遺伝子型のプロトプラストが存在したためと思、われる.