育種学雑誌
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イネ葯培養のカルス形成に対する低温反応の品種間差異
山口 誠之四方田 淳日向 康吉
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1990 年 40 巻 2 号 p. 193-198

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抄録
イネ葯培養における低温処理の効果を,カルス形成率に対する、葯の温度反応の観点から検討した.花粉形成期の低温抵抗性.の違いによって選んだ7品種を実験に供試した(Table1).低温処理は,3通りの温度区(5,10,15℃),5通りの処理日数区(8,16,24,32,40)を設定して与えた.葉耳間長2~5cmの時に,幼穂を含んだ葉鞘をビニール袋に入れて低温処理をした.処理後,数個の穎花を取り出して1核期の花粉であることを確認してから,葯をN6カルス形成培地(2,4-D2mg/1,ショ糖30g/l,寒天10g/lを添加)に置床した.各処理区ごとに約200個の葯を使用した.培養は,25℃,照度12.5w/m2,日長14時間の条件で行った.カルス形成率(置床葯当たりのカルス形成葯数の割合)は,全品種,全処理区で8日目から32日目までほぼ直線的に上昇した(Fig.1).そこで,置床後32日目のカルス形成率について,以下の検討を行った.
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