育種学雑誌
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属問交雑(コムギ×テオシント)によるコムギ半数体の高頻度作出
牛山 智彦清水 孝夫桑原 達雄
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1991 年 41 巻 2 号 p. 353-357

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抄録
属間交雑を利用したコムギ半数体の作出頻度を高めるため,コムギとの交雑能力の高いトウモロコシを選抜することを目的として,コムギ(品種ニシカゼコムギ)とトウモロコシ39品種・系統,テオシント1品種を交雑し,受粉直後に切除穂を100ml/lの2,4-ジクロロフェノキシ酢酸,10ml/lのエタノール,8ml/lの亜硫酸水,40g/lの蔗糖を含む水溶液で生育させた.結実した種子から胚を摘出し,無菌的に培養した結果,テオシント(Zea mays ssp.mexicana)は,胚形成卒38.5%,受粉小花当たつ植物体再生卒31.5%と高額皮に半数体を誘導し,得られた胚の再生率が81.8%と非常に高い値を示した.以上からコムギ半数体作出のための属間交雑の花粉親としてテオシントを用いることは極めて有用である.
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© 日本育種学会
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