抄録
要旨 本研究においては、<造形的行動>に関する知見を基軸とした保育者養成を実践し、それによって得られる学びの効果とはどのようなものなのかについて解明することを目的として、模擬保育とワークショップの実施後の振り返りレポートを基にした2か年の調査を行った。その結果、研究対象者は<造形的行動>に関する知見を活用しながら【子ども理解】と【保育者の手立て】の概念を結びつけて思考する傾向があること、両者を結びつける際の思考タイプとして、「A タイプ」および「B タイプ」が存在することを提示した。また、模擬保育を経験した研究対象者による振り返りレポートにおいては、「B タイプ」が比較的多く出現する傾向があること、子ども対象のワークショップの計画・実施を経験した研究対象者による振り返りレポートにおいては、「A タイプ」が比較的多く出現する傾向があることを明らかにした。以上より、<造形的行動>に関する知見を基軸とした学びの効果は、子どもの実態を捉えながら保育者の役割について分析する思考力や、活動の意味を分析して保育者による具体的な関わり方を構想する力量等を育成することにあると解釈された。