2019 年 10 巻 2 号 p. 119-124
重症敗血症に対する持続的血液浄化療法に用いられる,polymethylmethacrylate(PMMA)膜,AN-69ST膜などのヘモフィルターは,膜自身の陰性荷電によりサイトカインの高い吸着能を示しているが,長時間におよぶ治療のため,血小板および凝固因子の付着による目詰まりが問題となっている。今回,抗血栓性の高いヘモフィルター用の膜を開発すべく,血管内皮と同様の構造を持つリン脂質2-methacryloylox-yethyl phosphorylcholine polymer(MPCポリマー)とacrylonitrile(AN)を共重合したpolyacrylonitrile(PAN)MPCポリマーを作成し,既存のPAN膜(AN69膜)に被覆法にてコーティングした。コーティングした膜を24時間実験用ウサギ新鮮血に浸し,走査型電子顕微鏡にて抗血栓性を検証した結果,ノンコーティングPAN膜は血小板が散在していたのに対し,PAN-MPCコーティングPAN膜は血小板の付着が認められなかった。