2023 年 14 巻 1 号 p. 50-54
ICUにて昼夜問わず,長時間施行される持続的血液浄化療法(continuous blood purification therapy:CBP)においては,体外循環によるリスクを常に意識した安全管理が必要とされる。CBPのリスクマネジメントにおいては装置の安全機能の追加などハード面での安全対策に加え,運用システムや教育,多職種連携などソフト面での安全対策も重要になる。当院においてはチーム医療においてCEのICU 24時間常駐による管理など,積極的な介入によって各職種がおのおの専門性をもって携わり安全体制を構築している。しかし,当院で発生したアクシデント事例を解析すると,背景要因の一つとして明確な役割分担による連携不足やコミュニケーション不足が考えられた。CBPのリスクマネジメントには多職種連携による多角的視点が必要であり,連携不足を防ぐためには各職種間での情報共有・コミュニケーションが重要であると考えられた。