2023 年 14 巻 1 号 p. 45-49
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)において透析患者は重症化リスクが高く,流行初期は入院加療が望ましいとされていたが,感染者数の増加により,入院調整が困難な状況であった。そのため,東京都は2021年12月中旬に透析実施が可能なCOVID-19透析患者の収容施設として,旧病院跡地に酸素・医療提供ステーションを開設した。2022年1月1日〜8月31日まで,当施設で受け入れたCOVID-19透析患者の現況を報告する。入所患者は211人,平均年齢は65.1歳,転帰は,自宅退院194例(92%),転院16例(7.6%)(そのうち重症化13例(6.2%)),死亡1例(0.5%)であった。当施設は治療の介入により重症化や入院を予防し,東京都のCOVID-19透析患者の入院待機者数の減少および病床ひっ迫の緩和の機能を果たしており,施設の運用は有効であった。