日本急性血液浄化学会雑誌
Online ISSN : 2434-219X
Print ISSN : 2185-1085
技術・工夫
血液浄化装置TR-2020における循環血液量モニタ測定精度の検討
小宮 翔喜功力 未夢岡本 裕美岩﨑 良太佐川 竜馬髙梨 隼一別所 郁夫小竹 良文
著者情報
ジャーナル フリー

2024 年 15 巻 2 号 p. 157-160

詳細
抄録

慢性期における透析中のブラッドボリューム計(BV計)は安全な治療を行う上で重要なモニタリング項目の一つとされている。TR-2020に急性期領域で初めてBV計が搭載されたが,その精度に関する報告は少ない。そこでTR-2020で測定するBV計の⊿BV(⊿BV_TR)の測定精度をin vitroにて検討した。今回は牛血を使用して生体の循環モデルを構築し,そのモデルからTR-2020へと血液を循環させた。臨床における輸液と除水を模擬するため,持続的に補液のみ,除水のみ,補液と除水を行う条件下で⊿BV_TRと実測⊿BV(⊿BV_control)を測定し比較した。Bland-Altman分析の結果,補液のみ,除水のみ,補液と除水時では負方向の固定誤差を認めた。また,limits of agreement(LOA)は,慢性透析時で使用されているBV計の誤差範囲内であったことから,continuous renal replacement therapy(CRRT)でも使用可能なモニタリングであると考えられた。

著者関連情報
© 2024, 特定非営利活動法人 日本急性血液浄化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top