2025 年 16 巻 2 号 p. 74-79
新生児の血液浄化療法は,体外循環に必要な血液量の割合が大きく,低血流量による回路凝固や体温管理の難しさなどの課題が伴う。本症例では,新生児仮死後にAKIを発症した日齢4日の男児に対し,ACH-Σ®を用いたCKRTを実施し,新生児・小児血液浄化療法条件シートや有血充填マニュアルを活用することで,体外循環の安定化を図った。また,有血充填,透析液補正,血液加温器による体温管理を行うことで,血行動態を維持でき,低血流量による回路内凝固や抗凝固薬管理に対しては,ACT管理や抗凝固薬の分配投与にて凝固対策を行った。一方で,血小板減少に伴う出血リスク,カテーテル関連の塞栓症や感染症などの課題が残る。本報告は,CKRT施行における実践的知見を示し,新生児血液浄化療法の標準化および治療成績向上を目指した取り組みの一助となることを期待し,臨床工学技士の立場から安全面などについて検討を行った。