日本急性血液浄化学会雑誌
Online ISSN : 2434-219X
Print ISSN : 2185-1085
症例報告
エンドトキシン吸着療法をはじめとする集中治療によって救命し得た間質性肺炎急性増悪の1症例
神山 理明岡 雅俊秋山 健一鈴木 美貴澁井 香織渡邉 喜彦小原 まみ子望月 隆弘井上 明本島 新司
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キーワード: PMX-DHP, 間質性肺炎, 呼吸不全
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2012 年 3 巻 1 号 p. 91-95

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抄録

80歳代,男性。間質性肺炎,慢性閉塞性肺疾患のため近医にて加療中であった。感冒様症状が持続し,酸素化が低下したため,当院呼吸器科へ緊急入院となった。間質性肺炎の急性増悪と診断し,非侵襲的陽圧換気による人工呼吸管理を開始するも酸素化の改善は不十分であった。そのため,第1,2病日,ステロイドパルス療法とともに,エンドトキシン吸着療法(以下PMX-DHP)を施行し,第4病日に人工呼吸器を離脱し得た。その後,全身状態が改善し,第29病日に退院した。近年,間質性肺炎急性増悪に対して,PMX-DHPが有効であるとの報告が多くみられる。本例では,間質性肺炎の急性増悪に対してステロイド,PMX-DHPなどの集中治療が予後を改善した可能性が考えられた。

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© 2012, 特定非営利活動法人 日本急性血液浄化学会
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