2012 年 3 巻 1 号 p. 91-95
80歳代,男性。間質性肺炎,慢性閉塞性肺疾患のため近医にて加療中であった。感冒様症状が持続し,酸素化が低下したため,当院呼吸器科へ緊急入院となった。間質性肺炎の急性増悪と診断し,非侵襲的陽圧換気による人工呼吸管理を開始するも酸素化の改善は不十分であった。そのため,第1,2病日,ステロイドパルス療法とともに,エンドトキシン吸着療法(以下PMX-DHP)を施行し,第4病日に人工呼吸器を離脱し得た。その後,全身状態が改善し,第29病日に退院した。近年,間質性肺炎急性増悪に対して,PMX-DHPが有効であるとの報告が多くみられる。本例では,間質性肺炎の急性増悪に対してステロイド,PMX-DHPなどの集中治療が予後を改善した可能性が考えられた。