2012 年 3 巻 2 号 p. 151-155
新生児に対する血液浄化療法は本邦において施行症例数が少なく,また施行に際してプライミングボリューム,バスキュラーアクセス,循環動態に与える影響など新生児特有の問題がある。今回,新生児の高アンモニア血症に対し血液浄化(Blood Purification:BP)を行い有効であった2症例について報告する。一般に新生児領域ではプライミングボリュームを減少させなければならないといった問題がある。当院では従来より新生児に対する血液浄化は自作の血液回路で施行してきており,警報と血液ポンプが連動しないなどの問題があった。症例1はこの従来方法で施行した。一方症例2では血液浄化装置と血液回路が同一社製のものを使用し,プライミングの自動化とプライミングボリュームの減量と,さらに警報と血液ポンプが連動し安全性が向上した。新生児領域にて積極的に血液浄化が施行できるように今後も,臨床工学技士の立場から安全面などをさらに検討していく必要がある。