日本急性血液浄化学会雑誌
Online ISSN : 2434-219X
Print ISSN : 2185-1085
原著
小児急性血液浄化療法の実態調査
小児急性血液浄化ワーキンググループからの報告
永渕 弘之和田 尚弘吉村 仁志
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2012 年 3 巻 2 号 p. 145-150

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抄録

【目的】本邦における小児急性血液浄化療法の実態を調査した。【方法】平成19年7月から平成20年7月までに15施設においてacute blood purification(ABP)を施行した20kg以下の小児50例(新生児~幼児)を対象とした。ABPの治療条件および28日生存率に関して検討した。【結果】敗血症,先天性代謝異常症,急性腎不全などの占める割合が高かった。バスキュラーアクセスは内頸静脈に6~8Frのダブルルーメンカテーテルが用いられていた。モジュールは0.3m2のものが汎用されていた。抗凝固剤は86.0%の症例でナファモスタットメシル酸塩が使用されていた。10kg以下の症例ではプライミング溶液に赤血球濃厚液が用いられていた。血液浄化量は体重,病態に応じ,適宜増減されていた。28日生存率は80.0%であった。【結論】20kg以下の小児に対しても市販の治療材料を用いて安全にABPの施行されていることが確認された。今後は,病態毎に治療条件を設定するなど小児ABPの標準化が必要であると考えられた。

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© 2012, 特定非営利活動法人 日本急性血液浄化学会
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