日本急性血液浄化学会雑誌
Online ISSN : 2434-219X
Print ISSN : 2185-1085
原著
持続的腎機能代替療法施行中のポリスルホン系膜hemofilterにおける凝固発生と予後の関連性に対する検討
塚本 功土屋 陽平渡辺 裕輔鈴木 洋通
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2014 年 5 巻 2 号 p. 122-126

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抄録

持続的腎機能代替療法(CRRT)施行時にポリスルホン(PS)系膜hemofilterを使用した際の凝固イベント発生と,重症度および生命予後への関連性を後方視的に検討した。2008年3月から2012年9月にPS系膜でCRRTを導入した急性腎傷害(AKI)171症例を対象に,CRRT施行期間中にhemofilter life-timeが一度でも24時間未満の凝固イベントがあった群(凝固群:80症例)となかった群(安定群:91症例)で比較した。その結果,CRRT導入時の施行条件および患者背景に差を認めなかったが,SOFA scoreは安定群10.8±2.8に対して凝固群12.2±2.7で有意に高値(p<0.05),入院期間中の死亡は安定群8例に対して凝固群20例で有意に多かった(p<0.05)。以上より,PS系膜使用時に凝固イベントを有する場合,予後不良の一因子として有用であることが示唆された。

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© 2014, 特定非営利活動法人 日本急性血液浄化学会
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