2015 年 6 巻 1 号 p. 92-96
血漿交換は血球成分と血漿成分に分離し,血漿成分を破棄してFFPなどの置換液で補充する治療法である。単純血漿交換では病因物質を含んだ血漿成分,とくに蛋白結合物質や免疫複合体などの高分子物質なども非選択的に除去できるため,適応疾患は多い。しかし,FFPを用いた場合にはクエン酸の上昇に伴う高ナトリウム血症,低カルシウム血症,代謝性アルカローシスといった副作用が起こりうる。そのため,施行時間の調整,CHDFの併用,選択的膜型血漿分離器を用いた血漿交換などさまざまな工夫が各施設で行われている。今回のインタラクティブセッションから適応疾患,施行方法,施行時間などについて,標準化できる部分とまだまだ検討の余地がある部分とが混在していることが明らかになった。血漿交換の標準化のためには,今後も今回のような企画が継続されることが望まれる。