[目的]日本の集中治療室において急性腎代替療法(RRT)を開始した敗血症性急性腎障害(AKI)と非敗血症性AKIの特徴と予後を比較する。[方法]2011年のDiagnosis Procedure Combination(DPC)データベースを用いて,集中治療室で急性RRTを開始した成人について,敗血症群と非敗血症群に分け,年齢・性別・入院からRRT開始までの日数・RRTモダリティ・RRT開始日の治療内容・病院の特徴を比較した。院内全死亡率を比較し,カプランマイヤー曲線を描出した。多変量ロジスティック回帰分析を行い敗血症性AKIと非敗血症性AKIの院内死亡との関連を検討した。[結果]対象7,353人のうち,2,523人(34.3%)が敗血症性AKI群であった。敗血症性AKI群の方がわずかに高齢,男性の割合が少なく,CRRTを選択される頻度が高く,重症病態を反映した治療を受ける傾向にあった。院内全死亡率は敗血症性AKI群53.6%(1,353人/2,523人),非敗血症性AKI群42.2%(2,038人/4,830人)であった(P値<0.001)。調整後オッズ比(敗血症性対非敗血症性AKI群)は1.212(95%信頼区間1.086-1.353)であった。[結語]敗血症性AKIは非敗血症性AKIに比して重症であり,死亡率が高く,また独立して予後と関連していた。
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